プロが教えるたった5分でわかる「aとtheの違いと使い分け」
今日は現役プロ講師が教えるたった5分でわかる!「aとtheの違いと使い分け」をわかりやすく説明します。英語を学び始めて最初の方に挫折するのがaとtheの違いですよね。筆者もかなり苦労しました。でも、ある原則を抑えて、例外に注意すれば、みるみるできるようになります。今日はその原則と間違わないコツを教えたいと思います。
【原則①】a「ひとつ・ひとり」the「その」
基本的には、aは「ひとつの(=一個の)」「ひとりの」という意味で、theは「その」という意味です。
またaは「ある●●」という意味になり「ある家」「ある男性」など、「あるひとつのもの」や「ひとりの人」に関して述べる際に使います。
一方でtheはある程度特定されたものを指す時に使います。「その家」「その男性」のように使います。
これらのものは、名詞(「もの・こと」のことば)の頭にかんむりのようにつけるので一般的に「冠詞(=かんし)」と呼ばれてます。
ただし名詞の頭文字がaeiouの母音の音で始まる時はa→anに変ります。
例)an apple, an orangeなど
【2015.08.29追記】
冠詞のanとaは元々はan=oneという数詞だった。(古英語と呼ばれるものです)つまりan apple=one appleと同じ意味。心なしかanとoneって似てますよね。時を経て、anのnが脱落し簡略化されたaになったとのこと。つまりanが古く、aが後発だそうです。(by facebookの英語の達人のお友達より耳より情報)
【※例外】ただしa universityなど一部の例外もあります。(その話は脱線しますのでまた次回に!)
【原則②】a→theの順で使う
下にふたつ例文があります。aとtheは基本的にa→theの順番で使う決まりがあります。
例えば、
①I have a banana.
私はバナナをひとつ持っています。
②I have the banana.
私はそのバナナを持っています。
①はただバナナを持っている場合です。
しかし、②の場合、「そのバナナ」がどのバナナかわかりません。この一文だけだと浮いた変な英文に見えます。
なので、どうするかというと、①→②という情報を提示し、さらに②は次のように書き換えます。
「①あるバナナがあります。」「②そのバナナは甘いバナナだ」というようにすると日本語でも自然ですよね。
なので基本的にはa→theの順で冠詞を使います。
なぜa→theの順で使うの?
正しく使うなら、下記のようにします。
I have a banana.
The banana is sweet.
私は(ある)バナナをひとつ持っています。
そのバナナは甘いです。
つまり
- ①のaは新情報(話の話題に新しく出てきたことがら)で、
- ②のtheは旧情報(既に話の中に出てきてことがらを指す時)です。
日本語でも
昔々、あるところにあるお爺さんがいました。
そのお爺さんは大変お金持ちでした。
- 一行目は「あるお爺さん」=新情報
- 二行目は「そのお爺さん」=旧情報(既出の情報)
だと言えます。
【ポイント:a→theの順で使う】
【例外①】aは一般的なことを指す?
世の中の参考書には「aは一般的なことがらを指す」とありますが、
それに振り回されず、先程の原則を使うべきです。
例えば「私は猫が好きです」と英語で言いたいとき、
①I like a cat.
②I like cats.
どちらが正しいでしょうか?
答えは……
②です。「私は(一般的に「猫」と言われる「総称の」)猫が好きです」
①の場合は
「私は(ある)一匹の猫が好きです」という意味で、その後ろにその猫の説明が入るべきだからです。
例えば、「その猫は白い」とか「その猫は目が青い」とかいう文がこないと不自然な英文になります。
なので「aは一般的なものを指す」と覚えていると会話の中で間違って使う場合があります。
【例外②】共通認識のthe
theは話し手と聞き手で共通認識がある場合にあるひとやものを指します。
地球は英語でthe earthといいます。え?アース(earth)=地球でしょ?と思うかもしれません。
ですが、earth=土、という意味です。
全人類の共通認識としての「土」「土地」「この地」=地球、なのです。
【例外③】aもtheもつかない場合
「私は学校に行きます」を英語で言うと、
I go to school.
になります。
原則schoolの前にはaもtheもつけないと参考書には書いています。
先程の原則のように最初のschoolにはaをつけ、その後、theをつけて説明することができます。
例えば、
「私は今日ある学校に行きます。」
「そして、その学校には美味しいと評判の食堂があります。」
というようにすれば
a→theでschoolの頭に冠詞をつけることができます。
また「共通認識のthe」と同じように、
I go to the school.
というと、話し手と聞き手が同じ学校の生徒だということがわかります。
上記のtheは「共通認識のthe」だからです。
まとめ
- 基本的には「a=ひとつ(一個の)、一人の」、「the=その」
- a→theの順で使う(新情報→旧情報)
- aが一般的なことを指さないときもある
- 共通認識のthe(話し手と聞き手の共通認識がある場合はthe)
- aもtheもつかない場合もある
いかがでしたか?
aとtheと混乱する場合がありますよね。先程の原則を意識して使うと、だんだんと理解できてきます。どんどん会話で意識して使いましょう!
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このブログを書いた人
ジュリカ@英語ライフワーカー。海外経験なしでTOEIC200点台から900点を突破。「人事部評価が東大より高い国際大学」合格。4年で3,000時間以上英語で講義を受ける。大学3年次、東京・青山の国際機関で1年間フルタイムのインターンを経験。広報、キャンペーンの企画に携わる。その後、英会話学校に入社。幼稚園児~社会人に英会話、英検、TOEICを指導。退職後、韓国人男性と国際結婚。ブログでこじらせ系と揶揄される。気分が良いときは小躍りする癖がある。